みなさんこんにちは、ジ・アースたいへいです。
100日チャレンジ56日目の投稿です!
今回は書評をします。斎藤幸平さん著のマルクス「資本論」に脱成長のヒントを学ぶという本です。この本はアマゾンでも購入できます。
「資本論」って何?
資本論とはドイツの経済思想家カール・マークスに執筆された資本主義のしくみや問題点を明らかにした経済学の名著です。
資本論のテーマは「資本主義社会システムを分析し、社会の問題を明らかにすることです。
資本主義社会では営利で社会を動かすシステムです。無限の成長を目指す資本主義社会が社会や自然環境を破壊するようになった時代をどう乗り越えるか資本論では学ぶことができます。
資本主義社会でいう「富」と社会の「富」では想像しているものも異なります。
私たちはお金や不動産、株式など貨幣で計れるものを「富」と考えがちです。ですが資本主義社会では貨幣では計れません。澄んだ水や空気、その人の技術や知識も「富」になります。
例でいうとペットボトルの水です。本来水は誰もが無料でアクセスできる資源でした。ですがいつの間にかお金を出して買うものになっていました。
このように資本主義社会では一人一人が豊かに生活するために必要なものが「富」となります。
労働者は搾取されている?
例えばAという商品を作っている工場があります。そこの労働者は日当1万円をもらっています。ですがA商品が1万6000円で売れたら6000円は資本家の懐に入ることになります。この6000円を過剰利益と言います。
この6000円労働者が働いて生み出した分もので資本家が生み出したものではありません。労働者は自分自身の「富」を資本者から搾取されています。
これを繰り返すと資本家の利益は増えていきます。これがマルクスは「価値増殖の運動」と言っています。そして資本家はこの過剰利益を追求していきます。
このように資本家は労働者の「労働力」を商品として売買しています。この獲得した「労働力」を使うことで利益を増やしていきます。そして労働者は「自分の時間」を搾取されていることがわかります。
分業により労働者は資本家の支配下に
本来であれば資本家が職人に作成を依頼していました。職人でしか作れないのであれば職人に依存するしかありませんでした。ですが流れ作業にすれば職人ほどの出来はできなくても低コストで大量生産できるようになりました。
仕事を分割することにより一人でものを作ることができなくなってしまいます。そして、資本家の指揮や命令なしでは生活できないようになってしまうのです。
資本主義では仕事の過程を細分化することにより大量生産を実現してきました。そして機械の導入を行いさらに効率化をおこなっています。
この効率化によって労働時間は変わらず労働者は相対的に過剰化してしまいます。増えた労働者で生産量が増えればいいですが人件費削減という効率化に進む場合もあります。
本当の豊かな生活とは?
18世紀までの古い共同体では土地は皆のものであり生産のための知識や技術も皆のものでした。社会の根源的な富は皆で分かち合い管理していく考えが重要になってきます。そういう考え方が持続可能な社会では必要だとマルクスは考えていました。
社会の富を何でも商品化する活動により地球規模の問題に直面しています。それは環境問題です。環境と社会の持続可能性を取り戻すには「富をシェアすることが不可欠」であるということです。
富が一部の人に偏ったり奪い合いにならない社会の構築が必要となってきます。こうした生産と消費を繰り返しつつ、同じ経済状態を再現していくことが大事です。この社会を「定常型経済」といいます。
富のシェアしていくことが豊かな生活の構築につながっていきます。
さいごに
この本はマンガの部分もあり読みやすいです。1時間ちょっとで読むこともできます。みなさんも気軽に読んでみてください。
最近はSDGsという考え方も広まってきているので持続可能な社会の構築は未来の人たちに向けても大事になってきます。自分でも意識できることはやっていきましょう!
最後までご覧いただきありがとうございました。